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水のないプール[日本映画]の評価: 2018/12/14 by 霧の童話



G(全年齢対象)
日本映画総合点929位2,893作品中総合点2 / 偏差値50.12
1982年日本映画総合点8位22作品中

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2018/12/14 良い(+1 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/この評価を推薦/削除・改善提案/共感コメント送る]
by 評価履歴[良い:722(51%) 普通:387(27%) 悪い:302(21%)] / プロバイダ: 19049 ホスト:19111 ブラウザ: 5171
凡庸な日常生活で溜まり切った鬱憤を「婦女暴行」という形でしか晴らせない中年男の虚無的な現実逃避を、ロックンローラー・内田裕也氏が故・若松孝二監督とタッグを組んでエロチックに描破する、限りなく「成人指定」に近い実録犯罪映画…でもレイティングは「一般」ですw
モチーフと成った実在の事件に因る被害者数はDVDの告知映像曰く70人( ! )にも及んだとの事なので、鑑賞前に詳細を知っておこうと思い立ちググってみたものの意外とヒットせず、「宣伝用の誇大表現 ? 」と訝しみつつ視聴と相成りましたが其の出来映えは… ?

冒頭から供述調書という形でヒロイン「ねりか」の生々しい告白ナレが流れますが、其の内容がモロ「官能小説」の朗読そのものであった事に先ずは面喰らっちゃいましたね。流石に直接的文言は比喩で伏せられているけれど、或る程度トシを重ねると理解出来るのが…(苦笑)。
軽い「ジャブ」の後、典型的な庶民たる主人公の「男(固有名詞無し)」がレ○プ未遂を目の当たりにした事で、彼の退屈極まりない日常が緩やかに変化し始め、深層意識下に虚無感の象徴である「水のないプール」が誕生する事と成りますが、恐らく此の時点ではまだ「引き返す事」が可能だったように思われます。劇的なまでに男の意識改革を齎したものは、多分に青○中の女の肌に浮かぶ「汗」と其の要因たるギラつく夏の「陽射し」、そして息子が制作中だった「昆虫標本」の3点である事に相違無いでしょうね。
恐ろしく詳細なクロロホルム入手法(此れがソフト化遅延の理由なのかなあ ? )を経て男が犯行の下準備を整えるくだりは、クロロが効果を表すまでの暇潰しとして人形の股間を凝視したり、クロロで昏倒したヒキガエルの股間を錐で弄ったりする内田氏の「変態演技」が際立っていた事も有り、ちょっとしたホラー映画を観ているかのような感覚に捉われる程でした。まあ、此の辺りまでは自分の性欲を満たす事しか考えていない男でしたが…。

「ねりか」相手に第1の犯行を犯し本懐を遂げて以降、男にとって「ねりか」だけは自分の虚無感を埋めてくれる特別な存在に位置付けられたようで、不特定多数の獲物と肌を重ね続けても結局は「ねりか」の元へと戻ってしまう辺りに、彼女に対する男の依存心が窺えて興味深かったです。事後、眠り続けている「ねりか」の為に朝食を作ったり部屋の掃除を行なったりする「奇行」の数々が、其れを如実に物語っているかと。
被害者たる「ねりか」も当初こそ不気味さを感じていたものの、だだっ広い屋敷に独り暮らしという孤独感を常に抱えていた為か、昏睡レ○プを通じて男にシンパシーを寄せ始め、挙句の果てには「サンタクロースが来たみたい」と男に抱かれるのを待ち焦がれる始末。肉体越しに互いの傷を舐め合う男と「ねりか」は或る意味、出会うべくして出逢った「合わせ鏡」の如き存在だったのかも知れませんね。
尤も、都合の良い「現実逃避」が長続きする筈も無く、夢の時間は拍子抜けする程にアッサリ終わりを告げる訳ですが。

標的たる「ねりか」の他に、冒頭で男に助けられて以降「地下鉄のおじさん」と彼を慕う「じゅん」、「じゅん」のルームメイトで男の心象風景たる「水のないプール」に度々現れる「みく」という2名のサブヒロインが男と密接に関わりますが、両者とも「ねりか」と異なり肉体関係には至らず一歩引いた位置から接する辺りに、男の本質を掴むヒントが隠されているようには感じましたね。その割には「じゅん」をクロロ実験に使うけどさw
解せないのは「みく」の存在かなあ…プールのイメージで必ず登場する辺り、男の深層意識に働き掛ける重要なファクターである事は確かなンだけど、現実味が無いと言うか生命を感じないと言うか…輪郭の無い「幻」のような佇まいも相俟って、彼女こそが男を狂気へと駆り立てた元凶…言い換えれば「悪魔」そのものだったのかも知れませんね。そう解釈すると、「主」たる「みく」に男が性欲を示さないのも頷けるかと。

行為時の「汗」に拘るフェティッシュな若松演出や、多様に解釈出来る男の内面世界など、あらゆる意味で「刺激的」な作品でした。

[共感]
2018/12/14 これがレンタルショップでは社会派ドラマ邦画の棚に陳列しているのが凄いです。パッケージ画像はまだ抑え目。 by 十傑集
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