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アニメ総合点 | 658位 | 6,138作品中 | 総合点46 / 偏差値54.81 |
アニメ平均点 | 493位 | 2,801作品中 | 平均点1.48=良い/31評価 |
1972年アニメ総合点 | 4位 | 18作品中 | |
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2006/08/31
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5234手塚作品と富野に西崎が携わった事で、紛れもなく日本アニメ史に大きな一歩を記した作品。
そういった意味では本作の特色と味はかなりのもので、その独自のストーリーと描写こそボカされているものの、次々関係ない人やゲスト、トリトン抹殺に失敗したポセイドン一派が殺されていくシーンが強烈で、アニメライターの氷川竜介が「20年目のザンボット3」で述べていたように、ザンボットをはじめとした富野作品の原型というものがこの作品には多く埋もれ、それ故に大きな影響を未だに与えている名作といえよう。
メルヘンチックなキャラとは裏腹の悲壮感のある重いストーリー、明るいエンディングテーマと燃え上がるオープニングには反するようなテーマ性、手塚治虫原作と、虫プロ在籍時の富野監督の手塚治虫から受けた影響が本作には見えるし、それ故に本作が手塚作品の重さと、富野作品の展開性を散見させてくれるし、最終回の敵側こそが実はかつてのトリトン族被害者だったというのも、ザンボットの最終回の「守っていた地球人こそ悪だった」というそれに通じるものがあるし、そういった作風と勧善懲悪性をこれでもか!これでもか!と廃する作風がアニメを通して現実社会の欺瞞や偽善というものをシビアに捉えていたし、そうならなければならなかったという点でも本作の良さであり、重いテーマ性を今に伝えている。
太平洋戦争だって日本に正義があったなどとは思わないし、日本と戦ったアメリカにしろ中国にしろ、どこの国にも必ず許すべからず非や落ち度はあるし、そういった歴史的視点で見ても、本作のポセイドン族のトリトン抹殺に手段を選ばなかったという部分をふんだんに出し、悪役性を高め、「ポセイドン許すまじ!!」と演出しておいて、ラストの戦いの原因が自分達にありと言う事を聞かされたトリトンが「ポセイドンが全て悪いんだ!!」と言いながらも、心の奥底で動揺し、戦う意味と意義を失っていく・・・・・・というのもザンボットの最終回の勝平とコンピューターの会話のシーンともダブる。
この世の正義の意味とは・・・・・・という事を改めて考えさせるし、同じ手塚作品の『アドルフに告ぐ』で峠がラストに「世界中のアドルフという人に読んでもらい、そして多くの人達にも戦争の意味を伝え、正義というものの正体を少しは考えてくれればいいのですけどね。」と言っていた言葉が刺さってくるようなのも本作にはあったといえるし、それ故に起こった事と、現在の視点や歴史を辿っていっても「悲劇は繰り返す」「人類の過ちは再び・・・・・・」というペシミストの手塚、富野作風が何とも言えずに胸を打つ。こうした現実社会との整合性で多くの人々の心を捉える事が出来る作風が創れるのは手塚治虫亡き今、富野由悠季と高橋良輔の二人だけのようにも思えてしまう。
戦争体験者達が次第に減ってゆき、戦争という愚かな過ちの記憶が薄れていく中、こうした作品はもっと評価されても良いと思うし、戦中派だった手塚と富野だったからこそ、こういったストーリーの良さと重厚性と意味と意義が出せたので、アニメ制作や、ストーリー制作を目指す未来のクリエイターはジブリ作品よりも、こうした作品に目を向けるべきだと改めて思う。
[共感]
2018/12/29 全く正しい評価であると思う。この作品は、富野喜幸が自身の初テレビ・シリーズ監督を行うにあたり、「子供に正義は勝つ」などという安易なことを言いたくないと考えたのであろうことが明瞭に伝わる。通常のアニメとは、全く異なる展開であり、トリトンは強い味方をどんどんと自分の間違いや、自分の身を守るための犠牲として失って行く。加えて、彼は海にも陸にも、その身の置き場がない。このような「教室の片隅に座り、いつもブツブチと理屈をこね回して考え込んでいる」ような明朗<でない>少年が主人公となったアニメがそれまでにあっただろうか?エヴァンゲリオンのシンジの造形を可能にしたのは、トリトンなのであり、トリトンに戦う動機が希薄であること(およそ、多くの戦争において、兵士には戦いの真の個人的な動機などはありはしない)も、エヴァンゲリオンに受け継がれているし、敵が攻撃してくる事情が明かではないことも、類似している。テレビ・アニメが低学年のためのものでなくなったのは、正にこの先品からであり、この作品の湛えている深い悲劇性を看取した評者の目は確かである。 by
a**-checker
次を読む: 「OPは結構、燃えますね...」 by 十傑集
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