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HUGっと!プリキュア[アニメ]の評価: 2019/01/28 by Betalayertale


[可愛い]
アニメ総合点6,125位6,176作品中総合点-64 / 偏差値37.00
アニメ平均点2,652位2,806作品中平均点-1.02=悪い/63評価
2018年アニメ総合点213位213作品中

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[推薦数:3] 2019/01/28 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/この評価を推薦/削除・改善提案/共感コメント送る]
by 評価履歴[良い:11(100%) 普通:0(0%) 悪い:0(0%)] / プロバイダ: 1904 ホスト:1914 ブラウザ: 8914
HUGっと!プリキュアとは、何だったのか?

当評価ではそれを考えながら明らかにしていきたいと思う。また、未見の方のため最終盤のネタバレは避けて行う。

まず前提として、HUGっと!プリキュアは、プリキュア15周年ということで、集大成・総決算的な意味合いで本作をどのようにするか練られ、またプロモーション戦略が練られた作品であり、従来シリーズとは大分出自、目標数字、目的が違うものであったと推測される。そのため今までのシリーズと違う点が、コンセプト(狙い、メッセージ、およその設定・設計、大まかな見せ場の計算)、表現の度合い(設定が豪華になるためどこまでどのように見せるか)、大量に投下する予定のプロモーションとの対応、などにおいて多々あった。それについて結果的に功罪は確かにあるものの、それについて多少説明しようとは思うが、その結果の本編の内容そのものが作品であるとして、当評価対象であると考えている。

【良い点】
本作は、主人公キュアエールこと野乃はなが、「超イケてる大人のお姉さん」を目指して転校初日の朝、前髪を切ることを失敗するシーンから始まる。その目標通り、彼女は人助けをしたり、応援をしたり、様々な大きな困難に対しても(例えば正体不明のモンスターに初めて対峙した時も)、その目標を思い出すことで、勇気を奮い立たせ、立ち向かっていく。のちに明かされる転校に至った重い経緯が実は重要で、はなには絶対に自分を変えてやるという決意があるからだ。そして、プリキュアとなり、敵の犠牲になる市民はもちろん、仲間や、不思議な赤ちゃんであるはぐたんを、その決意のもとに、絶対に守ろうと仲間とともに奮闘する。その姿は最初は若干滑稽であるが、各回激しくなっていく課題を次第に例え強引であっても克服していこうとする。それはまさに常に背水の陣に立たされているようにも見える。なぜなら彼女は「何も持っていない」「特に取り柄もない」キャラクターであり、実際スペックは変身前・変身後も低く、さらに本人も自覚している。加えて鈍感であるが、突然はっきりとした不安と恐怖に打ちのめされることも劇中何度もある。ところが、彼女は彼女の決意「超イケてる大人のお姉さん」になるべく、それには今、そうでなければならないと自分に言い聞かせて、より激しくなっていく困難に対し勇気を奮い立たせて立ち向かっていく様子は、誰が馬鹿にできようか。

そのうち特に野乃はなは、はぐたんが育つにつれ自分が「ママ」であるという認識を強めていくにあたり、まだ若い彼女は理性・慎重ではなく、動物的本能による母性であろうか、はぐたんを絶対何が何でも守る、という姿勢を露骨に見せるようになっていき、はぐたんが敵によって危険に晒されようものなら語気も荒げて吠え、話しあいも疎かに、腕力で敵をねじ伏せるようになる。これはアニメとしてはあってはならないことだろうか?それは視聴者のアニメへ何を期待するかによるものでしかないと思うが、本作では、制作は熟慮した上で、若い少女が母としての意識が強くなり危機が強くなれば自然にこうなるものではないか(はっきり言うと動物的)、という表現をしているのであると私は捉えた。人によってはこれをアンチテーゼとして捉え、嫌いにすらなるならばそれも仕方がないであろうし、共感できるならすれば良いと思うのであるが、ともかくすなわち私はこれをリアリティだと感じ、作品としてまず一定評価すべき点だとする。彼女は弱く、賢くもなく、それしかしようが無いのだ。決して、私は、理想的な優等生が常にアニメの主役になるべき、という考えはない。これがニチアサの女児アニメ(結果的に幅広い年齢性別が視聴するが、ターゲットは女児に置いている)で、それで良いのか?模範的でなくて良いのか?という疑問もあると思うが、それは冒頭で述べた、過去の当シリーズとは全く異なる本作のあえて意図した特徴であると思われる。彼女はさらに様々な体験や課題(育児、出産の立会い、応援の難しさ、勧善懲悪でない・どうやら哀しみを抱えている敵との対峙、政治的意見の対立、淡い恋)にも立ち向かって行くが、彼女のスペックでは多くの場合が最初うまく行かない・または最終的にも強引な結論で進行することもあり(視聴者によっては嫌悪感すら抱いたかもしれない)、さらに強弁となっているケースすらある。だが、私はこれも、「リアリティ」だと思って見ることで、非常に興味深く見ることができた。やはり、彼女は弱く、賢くなく、必死なのだ。

そこで先に挙げた疑問に戻るが、女児アニメとして「全面的に模範的」で無いものを見せて良いのかどうかであるが、本作の主人公野乃はなは、あらゆる自己(自信)および他者評価を犠牲にしてでも、当初の目的「超イケてる大人のお姉さん」から、次第に物語の目的である「未来を守る(=今の敵を迎え撃つ)」に集中し必達としてボロボロになりながらも仲間とともに挑戦していく。なお仲間は主に戦闘においては彼女を補佐するばかりである。私はこの姿に、本作の見せたい主人公像は、「リアルに弱く暗い過去を持っていても、強い意志で、正解かどうか分からなくても答えを出し乗り越えていく。時には逃げることによっても」、そういう現実的なキャラクターを見せて若い・弱い・もしくは悩める視聴者に寄り添いたい、というコンセプトに至ったのでは無いかと想像し、それは面白いアプローチだと評価する。個人的にも、私は彼女達に与えられた試練と苦境に涙したし、後半戦になって彼女の語気が次第に荒くなっていく様子は、当シリーズでは見たことのないキャラクター性で大変面白くもあった。

なお、重要な話題であるが、本作は幾つかの政治的・社会的な課題にも取り組んだ。そこで示し出した答え(行動)は、当然政治的であるから全ての視聴者がアグリーであるかというとそんなことは全く無いものであるが、これらの課題に挑戦することも本作の主要コンセプトである。私はまず1点、そういう課題が現実にある、ということを若者に見せたという点を非常に評価する。新聞すら読まない時代である(というか新聞は既に無いかな)。そして、あえて答えを出さず「いろんな考えがある」という提示の仕方もあるかも知れないが、それだと主人公達の行動原理が曖昧になりすぎて、かえって対象メインターゲットの視聴者の理解を難しくするのではと思われ、なので一つの主義主張を提示したわけだが、その主張に視聴者ごとに賛否はあれど、入り口を示すという点ではあっても良いのでは無いだろうかと評価している。しかし、これについてこれ以上とやかく言う人がいるとすれば、別にプリキュアだからと言ってイデオロギーが無いと保証している訳では無いはずであるし、それを踏まえると、いちいち子供の見る各種TV番組を先に録画して見て検閲したりしているはずだが、そんな人がいるのだろうか?とてもそうは思えないので私は杞憂だと思っているが。逆に大人が視聴しているならば異なる主張をTVがしたからといっていちいち腹を立てたりする訳が無い。民主主義では様々な意見があるのが当たり前であって、異なる意見も寛容に意見として聞く耳を持って当然であろう。というか、そういうスタンス・多様性の尊重も、本作では一部で語られる。

話しの評価に移ろう。全体に本作のストーリー展開は序盤からかなりシリアスで後半は非常に重くなっていきすらするが、各回キャラクター達によるギャグもよく散りばめられており、それが表面的であるがキャラクター作りにも貢献しているし、その緩急は概ねよくできていると評価する。
各回の内容も安定して濃密で、平均するとシリーズと比べても最上位かそこらだと思われ、充実している。特に第1話と16話などは非常に大量の出来事が詰まっているがそれを無駄なく整理して美しく表現することに成功している。ただし回によってはその代わりに戦闘がおざなりになってあっさり終了するものも、割とある。
その他については各パートの仕事の話なので簡易に列挙する。
例えば第1話から5話の3人の体制となるまでと、第10話から20話までの4・5人目の仲間を得るまでの怒涛の展開は非常にスピード感がありつつ、激しく感情を(キャラクター達に、また個人的であるが私に)揺さぶった。
従来の当プリキュアシリーズでは「プリキュアの設定」として、プリキュアとはこういうものだ、という常識が蓄積的に培われたものがあったが、本作では数々のそれら常識を軽々超越する展開があり想像の斜め上を超えて行ったこと(与えられた武器を拒否する、完全に機械であるアンドロイドがプリキュアになる、数量限定の貴重な変身装置が願い・奇跡によって複製される、さらに初の男性プリキュア、さらに最終戦ではそれ以上の展開も)が面白く、話題にもなった。型にはまりつつマンネリ感すらあったプリキュアのパンドラの箱を開け、今後の可能性を広げたことは評価に値する。伝統を重んじる層には受け入れがたい事項もあったであろうが、そもそも「プリキュアとはこういうもの」など無い。常に制作者の意図で現在進行形で進化するものである。私はそれを今後も楽しみにしている。
各主要キャラクター達のサイドストーリー(将来の夢や家族・友達関係、来歴、恋愛要素など)も、キャラによって濃度は異なるが、かなり長期にわたってエピソードや伏線を散りばめて語られていったので、それが少々理解しにくい部分もあれど、興味深く語られた。とはいえ説明の濃度が薄い設定も確かにある。また、本作は最初にのべた15周年と言うことであろうがシリーズ随一の大量の贅沢な設定が存在し、それによって作品の深みを作ろうとしているが、一部は意図的であろうが、あえての説明不足や、伏線が回収されなかったものもあり、それらの考察は楽しいが、残りの一部は想像しようが無い・納得がいかない、という部分も確かにある。
サイドストーリーについて一つだけ特記させてもらうと、輝木ほまれのエピソードは本当に美しく語られていた。
プロモーションの要請でもあろうが、本編中に他シリーズのプリキュアが登場するというファンには嬉しい演出が3話もあった。しかし、逆に本編で語りに使うべき話数が削られた感が否めない。
その他、最新作に相応しい美しいキャラクターデザイン・変身バンク、サウンド、OPED、美しい弾き語りなどの挿入歌も、高いクオリテイを保っていたと思う。

【悪い点】
主に上記の良い点に交えて説明してしまったのであるが、箇条書きすると、
・語気の荒くなっていく主人公・キュアエールの言葉は人によっては厳しすぎると捉えられる可能性がある。
・回によっては戦闘がおざなりになりあっさり終了することが割とある。
・後半戦に入って、敵の目的が見え出すとともに多数の設定・伏線が発生するが、同時に主要キャラクター達の背景や将来などの深掘りも並行して判明していくため、どれも明確になるまで遅々として進まず、理解を難しくしてしまっている。特に敵の目的の具体的手段と手順および主因、それに関わる未来での出来事は最後までかなり分からない部分を多くしてしまっていた。
・一部の曖昧なキャラクターの深掘り。キュアアンジュ・薬師寺さあやであるが、最初「私には、何もなかった」と言っているほど女優業を悩みながら続けていた上で将来を決める決定打の説明は表面的には唐突で分かりにくかったと思われる。逆に私には全話見直し深読みしながら考察するに楽しかったが。
・ラスボスと敵女性幹部との身体関係を思わせる大人向けな表現は、分かりにくかったから良かったものの、流石にやりすぎだと思う。彼女達のロイヤリティの理由かも知れないが、他になかったのか。前述の設定の話しでもあるが、他の男性幹部もなぜボスに従えているのか、人間(もしくはネズミ人間)であるため理由があろうが正直分からない。他シリーズなら悪の化身、とかなのでそれだけで理由になるが。
・美貌のキュアトゥモローの活躍が見たかった…本当に見たかった…。だけど彼女があの時現出して活躍すると、とどめのあのシーンが表現できなくなるので無かったんだろう。しかし、見たかった…笑

【総合評価】
さて総合評価であるが、本作はメインストーリー的にはプリキュアの仲間が4人いるが、あくまで主人公は野乃はなの物語である。彼女が超イケてるお姉さんになる夢から、未来を守るに変わっていき、彼女なりに成長していく様子を主軸に描きながら、仲間達もそれぞれ抱えてた課題(女優業か医者か、スケートを続けるか恋にどう決着を付けるか、自分の出自である父・製造者との対峙、家族との関係および、別れる前提なのをどう受け入れるか、等)をクリアするごとに人間的に・プリキュア能力的に成長していく。それらは全て、私は「愛」なのでは無いかと思う。赤ちゃんへの愛、仲間への信頼と親愛、家族への愛、場合にっては敵への愛。そしてそれらは常に未来へ向けられている。赤ちゃんへはずっと見守る愛、仲間へはずっと友達でいたい愛、家族へは一生涯の絆。それらが頻繁にこの言葉で締めくくられる。

「未来へ!」「輝く未来を抱きしめて!」「明日に向かって!」それから
「これからも、ずっと」「またお会いしましょう」「またね」と…。

すなわち、HUGっと!プリキュアは、「未来へ続く愛」が真のテーマであると見た。

「愛を育む」と言う公式ではあるが、私は「未来へ続く愛」が真の裏に隠されたテーマだったのではと思う。それには、「明日を、未来を守る・作ること、愛を持って」が重要であり、かつ、それは難しい、失敗することもある、と言うことも見せていく。
しかし、必ずそこで、失敗してもやり直せる、逃げても明日は必ず来る、ということも見せてくれた。
母の愛を続けるのも赤子のステージが上がるたびに難しくなっていく。
家族の愛というものは一緒に未来を考えてくれる存在であるが、失敗する家族もいる。
一部のキャラクターは、将来の夢が最後まで見つからず。ある者は将来が役者か医者かを迷い(決断したものの、まだ迷っているように思える)、ある者は叶わぬ恋だと知りながら、告白する(が、吹っ切れていないように思える)、ある者とある者は、親友との必ず訪れる別れを惜しみ・一度覚悟するが、心中穏やかでは無い。
約束をしても、成長する事で考え・責任が変化し、反故にする事もある。それは、お互いに信頼しきっているから。
敵にも、変わることで未来があると言うことを教え希望を見せていく。

そしてその答えは最終回で結実するー。

そのためには、例えば若宮アンリが言った、

「応援は、みんなの心に翼を生やすこと」「新しい世界へ 飛び立つことのできる翼を…違うの?」

という意識で応援を行う必要があるし、

「あなたを愛し、わたしを愛す」

のように、他人への親切ばかりでなく、自分もいたわり愛し好きになる必要があり、

「私に出来ないことが、貴方には出来ます。貴方に出来ないことが、私には出来ます。力を合わせれれば、素晴らしいことが、きっと出来るでしょう。」

相互補完して協力していくと、素晴らしいことができるとすれば、

「未来へ続く愛」、愛を未来まで運んでいけるのだと言いたいのだと。たとえ遠く離れていても。たとえそれが遠い未来であっても。

たとえ二度と会えないとしても…。

ストーリー的には最終的には「シリアスで悲しい」本作であるが、主人公達みんなが考えた決断である。

最後まで観てよく感じ取ると、「未来へ続く愛」 がテーマだったとよく分かると思う。

そして、キュアエールこと野乃はなは、真のヒーローだった。彼女中心の物語になってしまったが、良かったと思う。

分かりにくい箇所・不明なまま終わった伏線・受け入れられないイデオロギーもあったかも知れないが、
私は想像と考察で保管するし、ここまで挑戦しきった制作を高く評価し、「最高!」としたい。

そして15周年を完遂した制作者にはこれまで沢山の感動をくれたシリーズと本作に感謝の意を伝えたいし、これからのシリーズではさらに壁を打ち破っていって欲しいと、切に願う。

[共感]
2019/03/05 心から同意します!未来永劫続く愛こそはぐプリの良さですね。もっと評価されてもいいと思います by 四天王の5人目
次を読む: 「【良い点】難しい問題...」 by Osakana


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