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ハイスコアガール[アニメ]の評価: 2018/10/15 by 霧の童話


[面白い] [楽しい] [可愛い] [感動] [可笑しく笑える]
アニメ総合点1,303位6,138作品中総合点19 / 偏差値50.48
アニメ平均点603位2,801作品中平均点1.36=良い/14評価
2018年アニメ総合点8位212作品中

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[推薦数:1] 2018/10/15 最高(+3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/この評価を推薦/削除・改善提案/共感コメント送る]
by 評価履歴[良い:722(51%) 普通:387(27%) 悪い:302(21%)] / プロバイダ: 17989 ホスト:17872 ブラウザ: 5171
対戦型格闘ゲームがゲームセンターを賑わし、セガサターン・プレイステーションをはじめとする家庭用据置機の台頭で、ゲーム業界全体が本格的に次世代へのムーブメントを刻み始めた1990年代を舞台に、「ゲーム」という接点で繋がった3人の少年少女達の恋愛模様を或る時はアグレッシブに、また或る時には繊細に描破していく文字通り「新感覚」のラブコメ作品ですが、取り分け'90年代をリアルタイムで過ごしてきた視聴者の琴線に触れる演出が多々施されており、名状し難い郷愁を呼び覚ましてくれる点が本作最大の特徴でしょうね。
余談ながら、勤務先の休憩室に中学生編までの原作コミックスが何故か常備されていて、タイトルから「平成版『ゲームセンターあらし』みたいなモンか ? 」との印象を抱きつつ手に取ったのが本作との出逢いだったンですが、よもや此処までハマる事に成るとは…(苦笑)。

行動理念の全てをゲームに費やす無類の「ゲーム馬鹿」である劣等生・矢口春雄と、成績優秀なお嬢様にしてハルオすら凌駕する凄腕のゲーマー・大野晶との短くも濃密な交流を描いた「小学生編」、ハルオとの交流を重ねる内に彼への仄かな想いを募らせていく第2ヒロイン・日高小春のレギュラー入りと、海外から帰国した晶の再登場で三角関係への下地が整う「中学生編」、そしてハルオ・晶・小春の交錯する想いをドラマティックに紡ぎ出す「高校生編」の3部構成で本作は成り立っていますが、エピソードごとに晶・小春の両ヒロインへ均等にスポットを当て、どちらの支持層にも感情移入し易い作劇スタイルを執っている事も有り、所謂「中弛みエピ」が存在しないのは特筆すべき点と言えるでしょう。

主人公たるハルオは勉強も運動もからっきしダメダメで唯一の取り得がゲームの腕前という、上述の『ゲームセンターあらし』を地で行く基本設定を施されている上に、思春期に突入しても色恋沙汰には無頓着という筋金入りの「ゲームオタク」で、悪く言えば精神年齢が小学生のまま停滞している感が否めないのだけれど、同時に晶の家庭事情を気遣ったり小春に諦観しない事の重要性を説いたりと、打算無く相手を思い遣れるピュアな優しさも秘めており、其れを当人が自覚せずナチュラルに示す辺りに歳に見合わぬダンディズムすら感じられて、「ラブコメ主人公 = 優柔不断なヘタレ」という図式が幅を利かせる中、久々の「男前主人公」の登場に嬉しく成っちゃいましたね。
何よりもゲームを最優先していたハルオが、晶の傍に居たいという一念で苦手な勉強に打ち込んだり、恐らくは「気の合うゲーマー仲間」程度にしか認識していなかった小春からの告白を受けて動揺したりと、ダブルヒロインズとの交流を経て遅まきながら「異性」を意識するように成る過程も非常に見応えが有りました。恋愛模様の行く末も勿論だけど、個人的にはハルオが一端の「漢」に成長していく様を見届けたかったのかも知れません。

ヒロインの一角を担う晶は当初こそ「威嚇した猫の目(ハルオ・談)」でハルオを疎んじていたものの、矢口家訪問や多摩川遠征を経て彼との距離を縮めていく過程が微笑ましく、英才教育漬けの息苦しい日々から解放してくれたハルオへ惹かれるのも必然的だったと言えるでしょう。
極端なまでの無口キャラである事に加え表情の変化も乏しく、完璧超人属性持ちで有るが故に本当の意味での「友達」に恵まれない不憫な境遇も相俟って、そこはかとなく晶という女のコは全身から「放っておけないオーラ」を発散させているンですよね。そんな晶の周囲に表出さない心情を汲み取って、憎まれ口を叩きながらもキッチリと向き合ってくれるハルオだからこそ、日に日に彼の存在が晶の中で大きく成っていったのも「宜なるかな」といった感じです。小学校時代にハルオから貰った「玩具の指輪」が、晶にとっては紛う事無き「エンゲージリング」と化している点に、彼女のハルオへの想いが集約されているのではないかと。
チャリの2ケツや遊園地帰りのバスの中、果ては修学旅行先での取っ組み合いの喧嘩に至るまで、晶とハルオの遣り取りは古き良き時代の「青春」を目の当たりにしているかの如きノスタルジーに包まれていて、視聴している側としても名状し難い感覚に囚われる事が多々有りました。

もう1人のヒロインである小春も、当人曰く「訳の分からない片想い」に悶々とする等身大の少女として描かれており、寡黙な晶とは対照的に心情の揺れ具合が把握し易いような演出を施されている事も有って、出番の遅さに反した魅力を放っていると言えますね。
ぶっちゃけ、恋愛面に関しては晶に相当アドバンテージを取られており、肝心のハルオが「異性」扱いしてくれない朴念仁振りを発揮している事も相俟って圧倒的不利な状況に有るんですが、晶とハルオの「絆」がクローズアップされる程、蚊帳の外に置かれている小春の存在感も比例して増していく…という「残酷」極まりない仕掛けが、却って小春への感情移入の度合いを強めて応援したく成る気にさせてくれるンですよね。
ハルオすら凌ぐ「凄腕ゲーマー」に成長する事で彼の関心を惹こうとしたり、恐らくは晶への対抗意識でロングヘアーにイメチェンしたりと、随所で「恋する少女」としての強さと健気さを垣間見せる小春は、晶と異なるベクトルで本作の恋愛要素に多大な貢献を齎したと言えます。

繊細な恋愛描写の一方、既存の作品だと箸休め程度の無難なモノに落ち着くケースが多い「ラブコメ」のコメディ成分が、きっちり笑えるモノとして機能している点も本作の特徴で、あたくしなんぞはネオジオCDの尋常ならざるロード時間のクソ長さを再現したギャグに腹筋崩壊まで追い遣られましたw
通常だと「そんなギャグに費やす尺が有るなら本筋へ廻せ ! 」と憤りたく成るところだけど、批判覚悟で視聴者に当時のユーザーのイラつき具合を追体験させようとするスタッフの拘りが気に入っちゃってね。その意気やよしッ !
ハルオの脳内で、『ストIIシリーズ』のガイル(さん)をはじめとする名だたるゲームキャラが、文字通り彼を「叱咤激励」する本作ならではのユニークな演出にも、時には笑わされ時にはグッとくるなど大いに感情を揺さ振られました。ガイルさん達に本心を見透かされ、晶の見送りに空港へ向かうよう促されたハルオが一目散に疾走するシーンなんざ、アニメ史上に残る屈指の名シーンでは無いかと。

難点は既に指摘されている通り、物凄く中途半端な所で本編が終了し続きは来年春の『ハイスコアガール CONTINUE』まで持ち越しという、'80年代の打ち切りアニメの如き最終回を迎えている事ですね。続くにしても、此れが1期のみで綺麗に幕を下ろし期待を持たせるような〆方で有れば問題無かったンですが、よりにも選って「小春の告白」という盛大に盛り上がったシチュのまま終了するモンだからモヤモヤ感が残っちまう訳で…。
此の点が響いて本作の評価を付けるのに相当難儀させられたものの、話数の短さを感じさせぬ密度の濃さや丁寧な心理描写などで終始楽しませてくれた上、毎週オンエアを心待ちにする程の面白さを有していた作品である事には変わり無いので、「最高 ! 」を付けるに至りました。
当然、こういった「商法」に対する批判は有って然るべきだと思うし、其の点に関する論客諸氏の指摘も頷けるンですが、それ以上に「面白いアニメを作ってくれて有難う」という感謝の気持ちが上回っちゃってね…うん、我ながら「ゲロ甘」な評価である事は自覚してますw

個人的には、ヒロインズの心情を此の上なく的確に謳い上げたEDテーマ「放課後ディストラクション」の存在も、本作への高評価に貢献していたと感じます。
親に敷かれたレールの上を歩まされているだけの晶や、無趣味が祟って凡庸な日々を送っていた小春ら「10カウントで終わるモノクロ世界」の住人たる2人の少女が、ハルオとの出逢いという「小さな革命」に因って新しい価値観を得、「世界が色付き未来へと動いていく」辺りに本編同様のドラマ性を感じて一向に聴き飽きないンですわ。媒体が映画やOVAなどに切り替わると、主題歌も変更を余儀なくされるのがアニメ界の「慣習」でも有りますが、願わくば『CONTINUE』へと移行しても「放課後ディストラクション」は変えないで頂きたいです。

[共感]
2018/10/15 本作の魅力が凝縮されてるレビューに圧倒されました。推薦させて頂きます! by 竜巻回転
次を読む: 「20世紀の残光を受けて...」 by アマンドの木


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