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クロスアンジュ 天使と竜の輪舞[アニメ]の評価: 2018/09/22 by エリクサー


[セクシー] [面白い]
アニメ総合点1,040位6,138作品中総合点26 / 偏差値51.61
アニメ平均点1,551位2,801作品中平均点0.62=良い/42評価
2014年アニメ総合点23位271作品中

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[推薦数:1] 2018/09/22 最悪(-3 pnt) [編集・削除/削除・改善提案/この評価を推薦/削除・改善提案/共感コメント送る]
by 評価履歴[良い:110(40%) 普通:40(14%) 悪い:128(46%)] / プロバイダ: 763 ホスト:679 ブラウザ: 9177
初めに。サンライズロボアニメの歴史は幾多の名作・傑作で彩られてきましたが、近年は著しく精彩を欠いている印象があります(ロボットアニメ自体が衰退傾向にあるという要因も大きいが)。あまりにも「ガンダム」の名前に頼り過ぎであるうえ、個々の作品においても「詰め込み過ぎでパンク」「意表を突く展開を繰り返してわけがわからなくなる」等の欠点が目立ち、往時を知る者としては寂しい限りです。

本作品はそんな凋落の時代を象徴するようなアニメです。内容を充実させるよりも場当たり的に耳目を集めるため、禁じ手ともいえる手法を次から次へと用い、お世辞にも誉められたものではない作品が出来上がってしまいました。以下順次その理由を述べていきます。

まず、本作品は力の入れどころを完全に誤っています。物語の中核である壮大なSF設定や、虐げられた者達が置かれる悲劇、苦境を乗り越えての成長や友情、世界を変革するための闘争等々、優れたストーリーを作るために力を注ぐべき部分は少なくありませんでした。しかし、スタッフはそこをおざなりにしてでも、エロ・グロ・バイオレンスといった刺激的な描写を優先させています。とりわけ性的な表現の強調にはやたらと力を注ぎ、本作品は半ばアダルトアニメのようになっています(なお、性表現以外においては、ココやミランダが惨死したシーンやエルシャが面倒を見ていた子ども達が二回も死亡するなど、これまた大変趣味が悪いものが多かった)。

露出過多で卑猥としか言いようのないメイルライダーのスーツを挙げるだけでも(設定資料には一応理由らしきものがあったが、強引なこじつけでしかない)、スタッフには最初からまともな作品を作る意図がなかったことが分かります。その他にも登場する女性キャラに対して加えられる拷問、お仕置き、「身体検査」、ラッキースケベ等々、がてんこ盛り。女性同士の同性愛描写についても、真摯な愛情を描くのではなく「男性向けポルノとしての百合表現」でしかなかった。多少ならば苦笑してすませることもできたでしょうが、これらは明らかに許される限度を超えており、ストーリー上の必要性よりも性的表現で男性視聴者の劣情に訴える意図が見え見えでした(視聴者も馬鹿にされたものである)。そのあさましさには怒りを通り越してあきれるほかありません。

次にキャラクター描写の問題。本作品はロボットアニメにしては珍しく女性を主人公にしたものであり、ロボット(パラメイル)のパイロット(メイルライダー)も全てが女性キャラです。ロボアニメというジャンルが従来「男性優先」になりがちであったことを思えば、このこと自体は悪いことではありません。問題はその描き方です。主人公のアンジュ自身が非常に性格に難のある人物で今一つ共感を抱きにくいキャラでしたが、彼女以外の女性キャラの描き方も非常に嫌らしい描かれ方や、無能で愚かな印象を与えるような描写をされていることが多かった(特にジルはひどい。あれでは勝てる戦も勝てないだろう)。世にはびこる女性への偏見や時代遅れの悪しきステレオタイプを無批判に作中に取り入れた感があり(「短絡的」、「非論理的」、「意地悪」、「目先の利益しか考えられない」、「大局を見渡せない」等々)、彼女たちの不幸極まる生い立ちや、最後には一応成長したということを差し引いても、度が過ぎていたと言わざるを得ません(悪印象を中和する要素が乏しい)。もはやミソジニー(女性蔑視)の産物と批判されてもしかたないでしょう。単なる認識不足によるものか、それとも男性のつまらない優越感を満足させたかったのか、どっちにせよ正当化は不可能です。

くだらないことに労力を注ぎ込む一方で、肝心なところは不十分きわまりない。一介の科学者に過ぎなかったエンブリヲが、神に等しい力を手に入れ、新世界を築き上げた経緯に関してはもう少し詳しく掘り下げるべきだったし、歌を歌って巨大な力を発動させる点もかなり強引な印象を与えるものでした。また、エンブリヲの支配を打ち砕く反乱「リベルタス」もノリと勢いで突っ走っている印象が強い。大事を為すのなら、もっと緻密に計画を立て実行したり、ドラゴン(アウラの民)だけでなくエンブリヲに見捨てられた人類とも共闘するくらいの話はあってしかるべきだったと思います(アルゼナルの管理を担当しており、かつ、多少の人脈もあったローゼンブルム王国を味方に引っ張り込むことは可能だったはず)。なお、パラメイルの致命的欠陥(戦闘機形態の時にはパイロットがむき出し)は理解不能でした。

それから、作品世界の人類はマナを使えないノーマたちを辺境のアルゼナルに押し込め、ドラゴンから世界を守る盾として使っていますが、この設定にも疑問が多い。ノーマたちはアルゼナルで一生過ごすことになっているのですが、ここには中高年以上の女性がほとんどいません。てっきり一定年齢を過ぎたら一部の例外を除いて「処分」されているという恐ろしい設定があるのだと思っていましたが(例えば、「一定年月勤めたら「人間扱い」してもらえるようになる」と言ってノーマ達を騙し、実際には秘かに殺害している等)、これも作中で示されることがありませんでした。また、ノーマを「化け物」扱いしているわりには、それを監視しているのがエマ・ブロンソン一人と言うのも無理があります(ノーマにストライキを起こされただけで世界が危機に陥るのだから、そんなことをさせないように強力な軍隊が監視及び弾圧のために配備されているのが普通だろう)。

ストーリー展開にも粗雑な部分が目立ちますが、特に2点が問題です。まず、タスクとモモカはエンブリヲとの戦いの中で「100%死亡」という状況になったはずなのに、すぐにピンピンして再登場しました。さすが『ガンダムSEED』で「宇宙空間で陽電子砲をくらって機体が爆散し、かつ、宇宙服のヘルメットが外れた」キャラを、続編で簡単に再登場させた福田巳津央氏だけのことはあります。次にアルゼナル壊滅後、エンブリヲの手先になったクリスと、反乱軍側にとどまったロザリーの物語の顛末もいいかげんです。戦いの中でクリスはロザリーが熱心に教育していた後輩のマリカを殺害したにもかかわらず、最後はあっさり和解してしまいます。これはいくらなんでも適当すぎるでしょう(それにロザリーが許してもマリカの友人二人はそうはいくまい)。まともにドラマを作る気がなかったのでしょうか。

また、サリアのコスプレ趣味だとか、本来の地球でアンジュとタスクが止まったラブホテル(だった建物)が『ガンダムSEED』のムウ・ラ・フラガをもじったものであることなど、マニア受けを狙ったような部分もありましたが、どれも大変しょうもないもので、むしろ作品のシリアスな雰囲気を阻害する要因に過ぎなかったと考えます。

エンブリヲに関しては、こんなどうしようもなくひどい敵は見たことがありません。能力は神レベルでほとんど不死身という強敵のはずなのに、その性格は途轍もなく矮小で小物そのもの。やることなすこと不快極まりなく、「ワルのかっこよさ」などというものは皆無でした。こんなろくでなしの変態野郎が悪の首領でいいのか、頭を抱えてしまいます。とはいえ、主人公側のキャラがアンジュをはじめとして低次元な印象を与える者ばかりだったので、その敵役を「誰もがすごいと思うような大敵」に設定できなかったのかもしれません。そう考えるとエンブリヲとはこのダメな作品全体を象徴するキャラであると言えるでしょう。

ストーリー上最大の問題は結末のつけ方です。みんなの力を合せてエンブリヲを打倒したことは良いのですが、結果として世界は全くの壊滅状態に陥ってしまいました。ところが、アンジュ達の選択は「崩壊した世界を放棄し、マナを使えなくなったこの世界の人々は見捨てて、仲間達だけでドラゴンたちの暮らす「もう一つの地球」に移住する」というものでした。確かに散々ひどい目に合わされた彼女たちが、自分たちを虐げてきた者達を助けてやる義理はなく、このような選択にも理由がないわけではありません。しかし、このような無責任な態度は主人公の採るべきものではないでしょう。せめてすぐに向こう側に移住する者と、とりあえずはこちらに残って世界の再建に尽力する者の両方を登場させるべきだったと考えます(全人類がマナが使えなくなったのだから、むしろマナなしで生きてきたノーマの方が有利になるだろう)。それから、アンジュがミスティ(このキャラは登場人物の中では一番まともな人間であり、もっと活用できたはず)のことをすっかり忘れて置き去りにしてしまったことは、彼女の人格に対して深刻な疑問を抱かせます(スタッフはいろいろと言い訳をしているらしいが、作中に示されねば意味はない)。

本作品のキャストはすこぶる豪華であり、主題歌も秀逸、キャラやメカのデザインも悪くはありませんでした。内容面においても素晴らしい作品になりうる要素がたくさんありました。何も奇をてらわず「普通」に作るだけで十分に良作になったはずです。しかし、スタッフはことごとく良い部分をダメにする方向で本作品を作ってしまいました。この行為は全くもって許し難く、評価は最も厳しいものになります(評価「最悪」)。なお、スタッフは「地上波の限界に挑む」と息巻いていたそうですが、世の中には「挑まなくてもよい限界」もあるということが、この作品を観れば分かります。

【2018年10月2日一部加筆修正】

[共感]
2018/10/22 福田の作品だったとは初耳で、サンライズはバンダイの下僕になってから駄目になったのかも知れません。ガンダムシリーズもターンAで終結していれば…(涙)。 by 無限堂
2018/10/22 お記しなさった通りです。クロスアンジュはサンライズの不名誉・キングレコードの不名誉と書かれてもおかしくない事です。スタッフは腐敗になっているも当然です。 by 赤青黄緑
次を読む: 「【良い点】特になし。...」 by 赤青黄緑


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